ヨミ表の実例と認識のズレ
 2023.03.22

 会社によって業種や商材は違っても、営業部門には大抵「売上見込」というものがあります。経営層の会議に報告される売上予測は、エクセル、営業支援クラウドなど様々な方法で各部門、部・グループの数字を積み上げたものです。営業現場のリアルな現状を情報源とする、いわゆるフォーキャスト。ここで数字がズレたり、不足したりして“炎上”するのも、たまに見られる光景です。
 営業パーソンのマネジメントに使う「ヨミ表」は、そのような事態を防ぐために効果的です。ヨミ表とは、見込数字の管理と同時に、受注活動や予算達成のシミュレーションを行うツールとご理解下さい。これを使って営業担当者と上司(或いはチーム)は定期的に業績管理と行動管理の詰めを行います。下は、ある会社の例をシンプルにしたものになります。<実例①>

 縦行に案件確度、横列は売上時期として、下段に案件名と見込数字を入力し、上段のサマリーの赤文字は予算達成までのランクごとの不足額(かたい数字~やわらかい数字)を表わす構造になっています。このフォーマットで、どの案件がいつ、いくらで決まるのか、予算達成までの不足額がいくらか、シミュレーションを行います。上司と部下、チームでヨミ表を使用するには、前提となる認識にズレがないことが不可欠です。人によってヨミ基準が違っていると、見込管理でも行動管理においても会話が成り立たなくなります。そのため、あらかじめ、会社・組織ごとに共通の基準を設定する必要があります。
 例えば、確度Bランクの設定例として、「お客様担当は発注を考えているが、懸念事項(少し金額が高いとか、周囲に反対者がいるなど)があり、それを解消する協力を求められている状態」。確度Cランクは、「商品、サービスに興味・関心を示し、提案してもらいたい状態、情報収集ではなく商談化したと言える状態」といった具合です。そしてこの基準は「お客様目線」であることも重要です。

 次の表<実例②>は、別の会社の例(営業支援システムの案件ビュー)ですが、注目したいのは、営業進捗の列です。「見積書提出済」は、営業側からの目線になっていて、お客様からの依頼で「社内で正式稟議にあげたいので正式見積もらえる?」という段階なのか、営業側からの「見積だけでも一度見て下さい」という段階なのがわかりません。つまり、どの案件がいつ、いくらで決まるのか、また、その裏付けが曖昧になっている状態です。更に、目標金額と不足金額が明示されていなため、営業担当者が一見して不足額を埋める思考・意識になりにくく、マネジメントツールとして問題があります。これをベースに打合せをすると、細かなやりとりの確認に大半の時間を使い、重要な「次、どうするべきか」にパワーを注ぎづらくなってしまいます。ヨミ表は、クラウドがいいとかエクセルで十分といった議論の前に、フォーマットと基準設定が重要なことが分かります。
※各実例はいすれもフォーマットのみで、データはダミーです。

カテゴリー:お知らせ・コラム