経験の浅い営業マンが、ヨミ会(見込会議)の席で、上司に詰められることがあります。今ベストセラーになっている「頭のいい人が話す前に考えていること(安達裕哉著/ダイヤモンド社)」に典型シーンがあったので、ご紹介します。
上司:昨日の営業、途中退席してごめん。お客さん、ウチに依頼するか決めてくれた?
部下:大丈夫だと思います。
上司:大丈夫って・・・決まったのか、決まってないのか、知りたいんだけど・・・。
部下:あ、まだ決まってないです。
これは新人と上司でよく繰り広げられる会話です。結論から話せないのに加えて“事実と意見を分けて話せない”は話の分かりにくい人の典型例です。会話はこのように続きます。
上司:そうか、決まるかなと思ってたけど・・・。お客さん、何か懸念事項について言ってた?
部下:金額について不満そうでした。
上司:もう一度聞くけど、不満だと”言った”の?
部下:いえ、たしか・・・言ってないかと。
上司:じゃ、なんで不満だと言えるの。
部下:えーと・・・。
上司:もう一度聞くけど、なんて言ってた?
部下:ええー・・たしか、金額について交渉の余地がありますか、と言ってました。
上司:交渉ね・・・、なんて回答したの?
部下:私の一存で決められませんので、持ち帰りますと。
上司:そしたら、お客さんはなんて言った?
部下:納得してくれたみたいでした。
上司:だー、かー、らー、お客さんはなんて言ってたの?
部下:あ、すみません。えーと・・・たしか、わかりました。と言ってました。
それと、今思い出したんですけど、見積りを指定の様式にしてほしいとも言ってました。
このように、事実と意見を分けられない人から話を聞くと、状況を把握するのに通常の3倍の時間がかかります。
部下はもちろん真剣ですが、上司はストレスが溜まります。残業時間も増えそうです。